平成11年(ワ)第3638号 損害賠償請求事件 原 告  佐木理人 被 告  大阪市 最終準備書面                        2001年7月 日 大阪地方裁判所              第17民事部イ係            御中               原告代理人 弁護士  竹下義樹                 同        岸本達司                 同        神谷誠人                 同        下川和男                 同        坂本 団                  同        高木吉朗                 同        山之内桂                 同        伊藤明子 記 第1 本件事故状況 第2 本件駅ホームの瑕疵  1 危険空間の存在   @ 転落防止柵も縁端警告ブロックもない危険空間あるいは,終端部の危険空 間において,視覚障害者の転落事故が多発していること A  ホーム終端部であれ,縁端警告ブロックがないのは,運輸省ガイドライン 違反である。   B 転落防止柵と縁端警告ブロックが連続していないのは,運輸省ガイドライ ンが想定しているモデルに反する。ガイドラインに明白に反するかどうかは 別として,少なくとも危険であることは事実である。   C 終端部に終端柵(立入禁止柵)がないため,視覚障害者が立ち入る可能性 のある危険空間がある。   D 終端部の壁は,材質等から,ホームの階段の裏側や柱と間違い易い状況に ある。そのため,視覚障害者が、終端部であることに気付かないまま立ち入 って,転落してしまう危険がある。      2 本件駅のホーム終端部の危険空間からの転落が十分に予見できたこと   @ 視覚障害者の危険空間からの転落事故が,本件事故前に繰り返し発生して いたこと    ・ 平成4年7月3日発生の谷町線駒川中野駅における転落事故    ・ 平成6年2月15日発生の御堂筋線長居駅における転落事故 ・ 平成6年12月5日発生の四ツ橋線西梅田駅での転落事故 ・ 平成7年6月24日発生の谷町線天王寺駅での転落事故      以上の事故によると,視覚障害者は,縁端警告ブロックが屈曲していても    気がつかずそのまま歩き続けることがあること,警告ブロックも転落防止柵 もない部分で転落する事故が繰り返し発生していたことは,本件事故までに 被告も十分認識していた。特に,平成7年6月の谷町線天王寺駅での事故以 後,認識していたことは明らかである。 A 本件事故前に点字ブロックの敷設方法と転落防止柵の設置基準を変更して いることは,そのような認識があったことを示している。また,結果回避が 容易であったことを示している。 B 日本橋駅に終端柵が設置されているところからして,本件駅でも終端部に 転落防止柵を設置することは可能であった。  3 視覚障害者に対する安全の配慮が極めて不十分であったこと   @「視覚障害者への対応について」という通達が出されたが,その通達の内容 は視覚障害者に全く知らされていなかった。 A この通達どおり徹底されておらず,極めて不十分な状況にあった。 B 「視覚障害者への対応の徹底について」という通達が出されているのは, 不徹底であったことの証左である。    4 被告の主張に対する反論 @ 被告が主張する列車停止位置前方5mの設置基準 第3 原告には落ち度がなかったこと                                以 上